シングルグレードオイル

記事数:(1)

消耗品

エンジンオイル:選び方の基本

車は、多数の金属部品が複雑に組み合わさり、休みなく動いています。これらの部品は、常に強い力を受けながら高速で回転したり、摺動したりしています。もし、部品同士が直接擦れ合えば、摩擦熱で焼き付いてしまい、車はたちまち動かなくなってしまいます。 この問題を解決するのが、エンジンオイルです。 エンジンオイルは、金属表面に薄い油膜を形成し、部品同士が直接接触するのを防ぎます。まるで、部品の表面を滑らかな氷の膜で覆うかのようです。これにより、摩擦抵抗が大幅に軽減され、部品の摩耗を抑え、スムーズな動きを確保することができます。 エンジンオイルは、摩擦を減らすだけでなく、エンジンの冷却にも重要な役割を果たします。 エンジン内部では、燃料の燃焼によって高温が発生します。この熱を放置すれば、エンジンが過熱して損傷する恐れがあります。エンジンオイルは、エンジン内部を循環しながら熱を吸収し、オイルパンや冷却水へと熱を伝えて放出することで、エンジンの温度を適切な範囲に保ちます。 さらに、エンジンオイルは、エンジン内部をきれいに保つ働きも担っています。 燃料の燃焼や部品の摩耗によって、エンジン内部にはスラッジと呼ばれる汚れが発生します。オイルは、このスラッジを包み込み、オイルフィルターでろ過されることで、エンジン内部を清潔に保ちます。これにより、エンジンの性能低下や故障を防ぐことができます。 このように、エンジンオイルは、摩擦軽減、冷却、清浄という重要な役割を担い、車の心臓部であるエンジンを守っています。 定期的なオイル交換を怠ると、オイルの性能が低下し、エンジンに深刻なダメージを与える可能性があります。車の寿命を延ばし、快適な運転を続けるためには、オイルの状態を常に良好に保つことが不可欠です。