軽油の基礎知識
石油から作られる燃料の一つである軽油について詳しく説明します。軽油は、原油を精製して作られる燃料油で、自動車の燃料として広く使われています。同じ自動車の燃料であるガソリンとは、性質や使い道が異なります。
軽油は主に炭素数が16から20くらいの炭化水素という物質でできています。この軽油は、ディーゼルエンジンという種類のエンジンで使われます。ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンとは違い、火花で燃料に火をつける装置がありません。ピストンで空気を強く圧縮して温度を高くし、そこに軽油を噴霧して自然に火がつく仕組みです。このため、ガソリンより燃えにくい軽油の方がディーゼルエンジンに向いているのです。
軽油はガソリンに比べて、同じ量でより多くのエネルギーを出すことができます。そのため、ディーゼル車はガソリン車よりも燃費が良いことが多いです。また、軽油はガソリンよりも価格が安いことが多く、経済的にもメリットがあります。
しかし、軽油にも欠点があります。軽油は燃える時に窒素酸化物や粒子状物質といった、空気を汚す物質を排出してしまいます。これらの物質は、人の健康や環境に悪影響を与える可能性があります。そのため、世界各国で排出ガス規制が厳しくなっており、より環境に優しい軽油の開発や、排気ガスをきれいにする技術の開発が進められています。
近年は、軽油に含まれる硫黄分を減らした超低硫黄軽油が普及しています。これにより、排出ガス中の粒子状物質を減らす効果があります。さらに、バイオディーゼル燃料などの再生可能燃料を軽油に混ぜて使う試みも進んでおり、地球環境への負荷軽減に貢献しています。