動力計

記事数:(4)

車の開発

エンジンの出力測定と過負荷運転

車の心臓部とも言える機関の性能を測る上で、力の大きさを知ることはとても大切です。この力の大きさを測るために、力計という装置がよく使われています。力計は、機関が回転する力を別の抵抗力に変え、その抵抗力の大きさを測ることで機関の力の大きさを計算します。この抵抗力は、水の流れや電気の流れ、油の圧力などを使って作り出します。 例えば、水を使った力計では、機関が回す羽根車を水の中に入れます。羽根車が水の中を回ると、水に抵抗力が生まれます。この水の抵抗力を測ることで、機関の力の大きさが分かります。同じように、電気を使った力計では、機関が回ることで生まれる電気の流れを測り、機関の力の大きさを計算します。 力計の種類によっては、機関の回転する速さや回転させる力の強さといった情報も同時に測ることができます。これらの情報は、機関の全体的な性能を詳しく知るためにとても役立ちます。例えば、回転する速さが同じでも、回転させる力の強さが大きい機関は、より大きな力を持っていると言えます。また、回転させる力の強さが同じでも、回転する速さが速い機関は、より高い性能を持っていると言えます。 このように、力計を使うことで、機関がどれだけの力を持っているかを正確に知ることができます。これは、新しい車の開発や、既存の車の改良に欠かせない情報です。さらに、車の故障の原因を特定するのにも役立ちます。力計の種類によって、それぞれ得意な測定範囲や精度が異なるため、目的に合わせて適切な力計を選ぶことが重要です。
車の開発

車の心臓部、エンジンのパワーを測る

車の心臓部である発動機は、どれほどの力を秘めているのでしょうか?その力を測る方法の一つに、回転の抵抗を利用した「うず電流動力計」があります。これは、発動機が持つ回転する力を、抵抗の力に変えて測る道具です。 発動機が生み出す回転する力は、動力計の中にある円盤に伝えられます。この円盤は、強力な磁石のすぐそばで回転する仕組みになっています。すると、磁石と回転する円盤の間で不思議な現象が起こります。「電磁誘導」と呼ばれるこの現象によって、円盤の中に「うず電流」という電流が生まれます。まるで水の渦のように流れるこの電流は、磁石との間で、ブレーキのような働きをします。回転する円盤を止めようとするのです。 この止める力の大きさが、発動機の回転する力を表しています。回転する力を「回転力」と呼びますが、専門的には「トルク」とも呼ばれます。うず電流動力計はこのトルクを測っているのです。 さらに、このトルクと発動機の回転する速さ(回転数)が分かれば、発動機の本当の力、つまり「出力」を計算することができます。出力は馬力などで表され、車のカタログなどでよく目ににする数字です。 このように、うず電流動力計は、目に見えない力を、回転抵抗と電磁誘導という現象を利用して、私たちが理解できる数字に変換してくれる、大変便利な道具なのです。
車の開発

車の心臓部、動力計の秘密

動力計とは、自動車の心臓部であるエンジンの性能を細かく調べるための機械です。まるで病院で健康診断をするように、エンジンの状態を様々な角度から調べることができます。この動力計を使うことで、エンジンの出力や回転力といった大切な性能指標を正確に測ることができ、エンジンの健康状態を把握することが可能になります。 動力計を使う目的は主に二つあります。一つ目は、エンジンの開発や改良に役立てることです。新しいエンジンを開発する際や、既存のエンジンをより良く改良する際に、動力計を使って性能を測定することで、目標とする性能に近づけるための調整を行うことができます。二つ目は、エンジンの状態を点検し、修理や調整が必要かどうかを判断することです。まるで医者が患者の状態を診断するように、動力計によってエンジンの不調を見つけることができます。 動力計には、エンジンだけを取り付けて試験を行うための設備が備わっています。車体に搭載された状態ではなく、エンジン単体で試験を行うことで、様々な条件下でエンジンの性能を評価することができます。例えば、エンジンの回転数を一定に保ちながら負荷を変化させたり、逆に負荷を一定に保ちながら回転数を変化させたりすることで、エンジンの出力や回転力の変化を詳細に調べることができます。また、実際の走行状況を再現した試験を行うことも可能です。急加速や急減速、登り坂や下り坂など、様々な走行状況を模擬することで、実走行に近い状態でのエンジンの性能や耐久性を評価することができます。これにより、より現実的なデータに基づいてエンジンの改良や調整を行うことができます。まさに、エンジンの健康管理にはなくてはならない存在と言えるでしょう。
エンジン

車の軸出力:エンジンの真の実力

車の性能を表す数値として、カタログなどでよく目にする「馬力」。この馬力の測定根拠となるのが「軸出力」です。軸出力とは、エンジンが実際に作り出す動力の大きさを示す大切な指標で、エンジンの真の実力を知る手がかりとなります。 具体的には、エンジンの心臓部とも言えるクランク軸から取り出せる動力の大きさを指します。エンジン内部でピストンが上下運動することでクランク軸が回転し、この回転運動が車輪を駆動する力へと変換されます。このクランク軸から直接取り出せる動力の大きさが、まさに軸出力なのです。 軸出力の測定には「動力計」と呼ばれる装置を使います。この動力計とエンジンのクランク軸を繋ぎ、エンジンの回転数を様々に変化させながら出力を計測します。測定された数値は、キロワット(kW)もしくは馬力(PS)という単位で表されます。 重要なのは、この軸出力はエンジン単体で発生できる出力を表すという点です。つまり、実際に車を走らせる際に発生するタイヤの抵抗や空気抵抗、その他の駆動系の損失などは一切含まれていません。私たちが運転する際に感じる車の力強さは、この軸出力から様々な抵抗による損失を差し引いたものになります。ですから、カタログに記載されている馬力(軸出力)が高いからといって、必ずしも実際の走行性能が高いとは限らないのです。 とはいえ、軸出力はエンジンの純粋な性能を評価する上で非常に重要な指標です。様々な条件を一定にした状態で測定されるため、異なるエンジン同士の性能を比較する際に客観的な基準となります。エンジンの設計や改良においても、この軸出力を向上させることが重要な目標となります。