
クルマの曲がりやすさ:最小直角通路幅とは?
車が角を曲がる際に必要な道の広さを示すのが、最小直角通路幅です。これは、道幅が同じで、かつ角で直角に曲がる状況を想定して、車が無理なく曲がれる最も狭い幅を指します。この幅は、どのように測るのでしょうか。車の動きを想像してみてください。車が旋回すると、タイヤは円を描くように動きます。この動きに合わせて、車体全体も円弧を描くように進みます。最小直角通路幅は、この円弧の内側と外側に接する線を基準に求められます。内側に接する線を内包線、外側に接する線を外包線と呼びます。これらの線の間の距離が、最小直角通路幅となります。
もう少し詳しく説明すると、車が角を曲がる際には、前輪と後輪が描く円弧の中心は異なります。前輪はハンドル操作によって回転するため、後輪よりも小さな円を描きます。内包線は、後輪の内側の動きに沿って引かれ、外包線は前輪の外側の動きに沿って引かれます。最小直角通路幅は、この内包線と外包線の距離が最も大きくなった時点での値です。つまり、車が最も大きく旋回する瞬間に必要な道の幅を表しています。この値が小さいほど、車は狭い道でもスムーズに角を曲がることができます。そのため、車の小回り性能を評価する上で、最小直角通路幅は重要な指標となります。例えば、狭い駐車場や路地を走行する機会が多い場合は、最小直角通路幅が小さい車を選ぶことで、運転の負担を軽減することができます。また、最小直角通路幅は車種によって異なるため、車の購入を検討する際には、カタログなどでこの値を確認することが重要です。