排気タービン

記事数:(1)

エンジン

ターボチャージャーの効率を詳しく解説

車の心臓部である機関の働きを助ける装置、過給機。その中でも排気を使った過給機、すなわち排気タービン過給機の総合的な効率は、車の性能を大きく左右する重要な値です。この総合効率とは、排気ガスが持つエネルギーをどれだけうまく使って機関に送り込む空気を圧縮できるかを示すものです。排気タービン過給機の総合効率は、主に三つの効率の掛け合わせで決まります。一つ目は、排気タービン効率です。これは、排気ガスが持つ熱エネルギーをどれだけ効率よくタービンの回転力に変換できるかを示すものです。二つ目は、圧縮機効率です。これはタービンが作り出した回転力を使って、どれだけ効率よく空気を圧縮できるかを示すものです。そして三つ目は、機械効率です。これは、タービンと圧縮機を繋ぐ軸受けなど、機械的な部分でのエネルギーの損失を示すものです。これら三つの効率は、それぞれ独立しているわけではなく、互いに影響し合っています。例えば、タービンを大きくして排気ガスのエネルギーをより多く取り込もうとすると、タービン自体の重さが増え、回転しにくくなるため、機械効率が下がる可能性があります。また、空気をより強く圧縮しようとすると、圧縮機効率は下がることがあります。高い総合効率を持つ排気タービン過給機は、少ない排気エネルギーで多くの空気を圧縮できるため、燃費の向上と出力の向上に繋がります。つまり、同じ量の燃料でより大きな力を得られる、あるいは同じ力を得るのに必要な燃料を減らすことができるということです。そのため、排気タービン過給機を選ぶ際には、総合効率をしっかりと理解することが大切です。総合効率が高いほど、車の性能向上に大きく貢献すると言えるでしょう。