
車の抵抗:燃費を良くするには?
車は走る時、様々な抵抗を受けています。大きく分けて四つの抵抗が関係しています。一定の速度で走っている時には、主に空気抵抗と転がり抵抗の影響を受けます。速度を変化させる時には、加速抵抗が、坂道を上る時には勾配抵抗が加わります。まず、空気抵抗について説明します。空気抵抗とは、車が空気の中を進む時に、空気から受ける抵抗の事です。空気抵抗の大きさは、車の形や前面の面積、そして速度によって大きく変化します。例えば、同じ速度で走る場合でも、前面投影面積が大きいトラックは、乗用車よりも大きな空気抵抗を受けます。また、車の形が空気の流れに沿った流線型になっているほど、空気抵抗は小さくなります。さらに、速度が上がると空気抵抗は急激に大きくなります。速度が二倍になると、空気抵抗はおよそ四倍になります。ですから、高速道路のように速度が高い場合は、空気抵抗の影響が非常に大きくなります。次に、転がり抵抗について説明します。転がり抵抗とは、タイヤが路面と接地して回転する時に生じる抵抗です。タイヤが路面を転がる時に、タイヤの変形や路面の凹凸、タイヤと路面の摩擦などが原因で抵抗が生じます。この抵抗の大きさは、車の重さやタイヤの種類、空気圧などによって変化します。重い車ほど、タイヤが大きく変形するため、転がり抵抗は大きくなります。また、タイヤの素材や構造によっても転がり抵抗は変化します。近年は、転がり抵抗を少なくするために、タイヤの素材や構造を工夫した低燃費タイヤが開発され、広く使われています。タイヤの空気圧が低い場合も転がり抵抗が大きくなるため、こまめな空気圧の確認が必要です。その他、ブレーキの引きずりや、エンジンや変速機などの駆動部分の抵抗も転がり抵抗の一部と考えられます。これらの抵抗を少なくすることで、燃費を向上させることができます。