
車を資源に:破砕と粉砕の役割
私たちの暮らしの中で、車はなくてはならないものとなっています。通勤や通学、買い物など、日々の生活の様々な場面で活躍しています。しかし、どんなに便利な車でも、いつかは使えなくなる時が来ます。その役目を終えた車をどのように扱うかは、限りある資源を大切に使い、環境を守る上で、とても大切な問題です。日本では、古くなった車を再び資源として活用するために、様々な工夫が凝らされています。中でも特に重要なのが、車を細かく砕く「破砕」と「粉砕」という作業です。まず「破砕」では、大型の機械を使って、不要になった車を大きな塊に砕いていきます。この工程では、車全体の骨組みをバラバラにするだけでなく、くっついている様々な部品、例えば窓ガラスやタイヤ、シートなどもまとめて砕かれます。その後、磁石の力を使って、鉄などの金属くずを取り出します。こうして分別された金属くずは、鉄鋼メーカーなどに送られ、新しい鉄の材料として再利用されます。次に「粉砕」では、破砕された残りの部分をさらに細かく砕いていきます。この工程では、プラスチックやゴムなどの材料を細かく砕き、それぞれの材料ごとに選別していきます。この工程は、資源を無駄なく再利用するために、とても重要な役割を果たしています。例えば、細かく砕かれたプラスチックは、再びプラスチック製品の材料として使われたり、燃料として利用されたりします。また、細かく砕かれたゴムは、舗装道路の材料などに利用されます。このように、破砕と粉砕という二つの工程を経て、役目を終えた車は新たな資源へと生まれ変わり、再び私たちの暮らしを支える様々な製品の材料として活用されます。これは、限りある資源を有効に活用し、環境への負担を減らす上で、大変意義深い取り組みと言えるでしょう。そして、私たち一人ひとりが、車を大切に使い、そして不要になった車を適切に処理することの大切さを改めて認識する必要があると言えるでしょう。