車の心臓を守る!エアクリーナーの湿式とは?

車の心臓を守る!エアクリーナーの湿式とは?

車のことを知りたい

先生、湿式エアクリーナーって、オイルを使うんですよね?でも、乾式もあるって聞いたんですけど、どういうことですか?

車の研究家

いい質問だね。昔はオイルにゴミをくっつけるオイルバス式が湿式だったんだけど、今はろ紙にオイルをしみこませたビスカス式が多いんだ。ビスカス式はオイルを使うけど、構造的には乾式に近くて、湿式に分類される場合もある、ちょっとややこしいね。

車のことを知りたい

うーん、ややこしいですね。つまり、オイルを使うかどうかが湿式か乾式かの違いではないってことですか?

車の研究家

その通り!今はオイルを使うかどうかよりも、ろ紙を使うかどうかで乾式か湿式かを判断するんだ。ビスカス式はろ紙にオイルをしみこませているから、湿式と呼ぶ場合もあるけど、乾式に分類されることが多いんだよ。

湿式エアクリーナーとは。

車の部品である『湿式エアクリーナー』について説明します。湿式エアクリーナーとは、空気の中に含まれるごみやほこりなどの不要なものをオイルを使って集める空気清浄機の総称です。昔は、オイルをためた容器に空気をくぐらせてごみなどを取るタイプのエアクリーナーを湿式と呼んでいました。その後、ろ紙だけでごみなどを取るフィルターが開発され、乾式エアクリーナーと呼ばれるようになりました。さらにその後、ろ紙にオイルをしみこませたビスカス式エアクリーナーが多く使われるようになりました。ビスカス式エアクリーナーは、分類上は湿式と呼ぶこともできますが、実際には乾式に分類されます。

空気清浄器の種類

空気清浄器の種類

車の心臓部であるエンジンは、常にきれいな空気を必要とします。空気中に含まれる塵や埃、虫、砂などの異物は、エンジン内部の摩耗や損傷を招き、性能低下や寿命短縮につながるからです。エンジンを守るためには、空気中の異物を取り除く空気清浄器、つまりエアクリーナーが重要な役割を果たします。このエアクリーナーには、大きく分けて湿式と乾式という二つの種類があります。

かつて主流だった湿式エアクリーナーの中でも、オイルバス式は代表的な存在でした。オイルバス式は、容器にオイルを満たし、そこに濾材を浸します。吸入された空気はオイルに浸かった濾材を通過することで、塵や埃などの異物がオイルに捕集される仕組みです。しかし、オイルバス式は定期的なオイル交換や清掃が必要で、メンテナンスの手間が大きいという欠点がありました。また、吸入抵抗が大きいためエンジンの出力が低下する場合もありました。

技術の進歩とともに、濾紙のみで異物を除去する乾式エアクリーナーが登場しました。乾式は濾紙の素材や構造を工夫することで高い濾過性能を実現し、メンテナンスの手間も軽減されました。オイル交換や清掃が不要なため、湿式に比べて維持管理が容易です。そのため、乾式エアクリーナーは急速に普及し、現在では主流となっています。

近年主流となっているのは、ビスカス式と呼ばれる乾式エアクリーナーです。ビスカス式は、濾紙にオイルを染み込ませることで、塵や埃の捕集効率を高めています。構造的には乾式に分類されますが、オイルを使用していることから、湿式と乾式の両方の利点を兼ね備えていると言えるでしょう。高い濾過性能とメンテナンスの容易さを両立したビスカス式は、多くの車に採用されています。オイルバス式のような湿式エアクリーナーは、現在では一部の特殊車両を除いてほとんど見かけることはなくなりました。

種類 方式 特徴 メリット デメリット 現状
湿式 オイルバス式 オイルに浸した濾材で異物を捕集 メンテナンスの手間が大きい、吸入抵抗が大きくエンジンの出力が低下する場合がある 一部の特殊車両を除きほぼ廃止
乾式 濾紙式 濾紙のみで異物を除去 濾過性能が高い、メンテナンスの手間が少ない
ビスカス式 オイルを染み込ませた濾紙で異物を捕集 高い濾過性能とメンテナンスの容易さを両立 主流

湿式の特徴

湿式の特徴

湿式の空気取り込み口、中でも油を使うものは、塵や埃を捕まえる力が強いことが大きな特徴です。油に浸っていることで、細かい粒子も逃さず捕らえることができます。まるで網戸に油を塗って虫を捕まえるように、空気中の汚れをしっかりと捉えます。この高い捕集力は、エンジンの内部を守る上で非常に重要です。エンジン内部に塵や埃が入ると、部品の摩耗を早め、エンジンの寿命を縮めてしまうからです。また、空気を取り込む際の音を小さくする効果もあり、静かな運転を好む人にとって魅力的でした。まるで音を吸収するスポンジのように、空気の流れを穏やかにすることで、吸気音を抑えていたのです。

しかし、湿式、特に油を使うものには、手間のかかる面倒な面もありました。定期的に油を交換したり、掃除したりする必要があるのです。油が汚れてくると、塵や埃を捕らえる力が弱まり、エンジンの性能にも影響が出かねません。こまめな手入れは、湿式の空気取り込み口を使う上で欠かせない作業でした。さらに、油の粘度にも気を配る必要がありました。粘度とは、油のどろどろ具合を表す言葉です。適切な粘度を保たないと、空気の通りが悪くなったり、塵をうまく捕まえられなくなったりします。季節によって油の種類を変えるなど、粘度管理は大切な作業でした。そして、寒い地域では、油が凍ってしまう問題がありました。凍った油は空気の通り道を塞いでしまい、エンジンがかかりにくくなる原因となります。そのため、寒冷地では湿式の空気取り込み口の使用は難しい場合もありました。このように、湿式の空気取り込み口にはメリットとデメリットがあり、使用する際には注意が必要でした。

特徴 メリット デメリット
湿式
(特に油使用)
  • 塵や埃の捕集力が高い
  • 吸気音を抑える効果がある
  • 定期的な油の交換、清掃が必要
  • 油の粘度管理が必要
  • 寒冷地では油が凍結する可能性がある

乾式の特徴

乾式の特徴

乾式の空気取り入れ口には、手間がかからないという大きな利点があります。仕組みの中心となるのは、空気中のちりを濾し取るための特別な紙です。この紙が汚れたら、新しいものと取り替えるだけで済みます。油を足したり、洗ったりする必要がないため、とても手軽です。

凍えるような寒い地域でも、乾式の空気取り入れ口は変わらず活躍します。油を使わないので、寒さで油が固まってしまう心配がありません。

初期の乾式の空気取り入れ口は、ごく小さなごみを取り除くのが苦手でした。湿式の空気取り入れ口と比べると、きれいな空気を送る能力が劣っていたのです。しかし、濾紙の技術は進化を続け、今では細かいごみをしっかり捕らえる高性能なものが開発されています。湿式のものにも負けない性能を持つ製品も登場し、多くの自動車で採用されるようになりました。

乾式の空気取り入れ口は、目詰まりしやすいという弱点もあります。空気の通り道となる濾紙がごみでいっぱいになると、空気がスムーズに通れなくなり、エンジンの働きが悪くなってしまうのです。定期的に濾紙の状態を確認し、汚れていたら交換することが大切です。また、濾紙の素材によっては、湿気に弱いものもあります。湿気を吸ってしまうと、濾紙の性能が低下し、空気をきれいにすることができなくなります。保管場所には注意が必要です。

このように、乾式の空気取り入れ口にはメリットとデメリットがあります。それぞれの特性を理解し、自分の車に合った空気取り入れ口を選ぶことが大切です。

項目 内容
メリット
  • 手間がかからない(オイル交換や洗浄不要)
  • 寒冷地でも使用可能(オイルの凍結がない)
  • 高性能な濾紙の登場で、湿式に匹敵する性能
デメリット
  • 目詰まりしやすい
  • 濾紙によっては湿気に弱い

ビスカス式について

ビスカス式について

自動車の心臓部であるエンジンには、常に新鮮な空気が必要不可欠です。しかし、外気には目に見えない塵や埃が混じっており、これらがエンジン内部に侵入すると、エンジンの出力低下や寿命の短縮に繋がります。そこで活躍するのがエアクリーナーで、空気中の不純物を取り除き、きれいな空気だけをエンジンに送り込む重要な役割を担っています。

エアクリーナーには様々な種類がありますが、その中で広く普及しているのがビスカス式です。ビスカス式は、基本的には乾式に分類されますが、濾紙に特殊なオイルを含浸させているため、湿式の特性も兼ね備えています。このオイルが、ビスカス式の優れた性能の秘密です。 微細な塵や埃は、オイルの粘着力によって濾紙にしっかりと吸着され、エンジン内部への侵入を防ぎます。乾式のように濾紙の目が詰まりにくいため、通気性を確保しつつ高い濾過性能を発揮します。また、このオイルには吸気音を抑制する効果もあり、エンジン音を静かに保つことにも貢献します。

ビスカス式は、定期的な交換が必要です。オイルの粘着力が低下すると濾過性能が落ちるため、走行距離や使用環境に応じて交換時期を判断します。一般的には、数万キロメートルごとの交換が推奨されています。交換自体は比較的簡単で、ドライバー自身で交換することも可能です。ビスカス式は、乾式と湿式の利点を巧みに組み合わせた、バランスの良いエアクリーナーと言えるでしょう。高い濾過性能と静粛性、そしてメンテナンスの容易さから、多くの自動車で採用されているのも頷けます。

項目 説明
役割 エンジンに供給する空気をきれいにする(塵や埃の除去)
種類 ビスカス式(乾式をベースにオイルを含浸)
メリット
  • 微細な塵や埃をオイルの粘着力で吸着
  • 通気性を確保しつつ高い濾過性能
  • 吸気音を抑制
  • バランスの良いエアクリーナー
  • メンテナンスが容易
デメリット 定期的な交換が必要
交換時期 数万キロメートルごと

適切なエアクリーナー選び

適切なエアクリーナー選び

車は走るために空気を吸い込みますが、その空気中には目に見えない塵や埃、砂といった汚れが含まれています。これらの汚れがエンジン内部に入ると、エンジンの動きが悪くなったり、傷をつけてしまうことがあります。そこで、空気中の汚れを取り除く役割を果たすのがエアクリーナーです。エアクリーナーはエンジンにとって無くてはならない部品と言えるでしょう。

エアクリーナーには大きく分けて、乾式と湿式の二種類があります。乾式は、繊維でできたろ紙のようなもので汚れを捕まえます。このタイプは汚れが溜まったら交換するだけなので、手間がかかりません。交換時期の目安は、走行距離や使用期間で決まります。湿式は、油を染み込ませたスポンジのような素材で汚れを吸着します。乾式に比べると塵を捕まえる力は高いですが、定期的に洗浄や油の補充といったお手入れが必要です。

どちらのタイプが良いかは、車の使われ方によって変わってきます。例えば、舗装されていない道をよく走る車や、工事現場の近くをよく走る車は、空気中にたくさんの塵が舞っています。このような環境で走る場合は、捕集力の高い湿式がおすすめです。一方、普段は舗装された道を走る車であれば、乾式でも十分です。また、こまめなお手入れが苦手な方は、手軽な乾式を選ぶと良いでしょう。

エアクリーナーは消耗品です。定期的に点検し、汚れていたら交換または清掃する必要があります。エアクリーナーの交換を怠ると、燃費が悪くなったり、エンジンの出力が落ちたりするだけでなく、最悪の場合、エンジンが壊れてしまうこともあります。愛車を長く大切に乗り続けるためにも、エアクリーナーに気を配り、適切なメンテナンスを心がけましょう。もし、どのタイプのエアクリーナーを選べば良いか迷う場合は、整備工場などで相談すれば、的確なアドバイスをもらえます。

種類 特徴 メリット デメリット 向き不向き
乾式 繊維でできたろ紙で汚れを捕集 汚れが溜まったら交換するだけなので手間がかからない。 湿式に比べて塵を捕まえる力が低い。 舗装された道を走る車に向いている。こまめなお手入れが苦手な方にもおすすめ。
湿式 油を染み込ませたスポンジで汚れを吸着 乾式に比べて塵を捕まえる力が高い。 定期的に洗浄や油の補充といったお手入れが必要。 舗装されていない道をよく走る車や、工事現場の近くをよく走る車におすすめ。

まとめ

まとめ

車は、多くの部品が組み合わさって動いています。その中で、空気を取り込む部品である空気清浄器は、エンジンの調子や寿命に大きな影響を与える大切な部品です。空気清浄器は、エンジンに吸い込まれる空気をきれいにする役割を担っています。空気中には、塵や埃、砂などの様々な汚れが含まれており、これらがエンジン内部に入ると、エンジンの摩耗や不調につながる可能性があります。空気清浄器は、これらの汚れをしっかりと捕らえ、きれいな空気だけをエンジンに送ることで、エンジンの性能を維持し、寿命を延ばす効果があります。

空気清浄器には、湿式、乾式、粘性式など、様々な種類があります。湿式は、油に浸されたろ材で汚れを捕集する方法で、吸気効率が高いのが特徴です。しかし、定期的な清掃や油の交換が必要となるため、手間がかかります。乾式は、乾いたろ材で汚れを捕集する方法で、メンテナンスの手間が少ないのが利点です。ただし、湿式に比べると吸気抵抗がやや高くなる傾向があります。粘性式は、粘性のある油膜で汚れを捕集する方法で、吸気抵抗が低く、防塵効果が高いのが特徴です。しかし、定期的な油の補充が必要です。

どの種類の空気清浄器を選ぶかは、車の使用環境や走行条件、メンテナンスの手間などを考慮して決める必要があります。例えば、砂埃の多い場所を走る機会が多い場合は、防塵効果の高い粘性式や湿式が適しています。一方、舗装路を主に走る場合は、メンテナンスの手間が少ない乾式で十分です。また、自分でメンテナンスを行うのが難しい場合は、乾式を選ぶ方が良いでしょう

空気清浄器は、定期的な点検と交換が重要です。汚れが溜まった空気清浄器は、吸気抵抗を増大させ、エンジンの性能を低下させるだけでなく、燃費の悪化にもつながります。点検は、月に一度を目安に行い、汚れがひどい場合は、交換または清掃を行いましょう。適切な空気清浄器を選び、きちんとメンテナンスを行うことで、エンジンの調子を保ち、快適な運転を楽しむことができます。小さな部品ですが、車の調子を保つためには欠かせない存在です。日頃から気を配り、車の心臓部を守りましょう。

種類 特徴 メリット デメリット 適した環境
湿式 油に浸されたろ材で汚れを捕集 吸気効率が高い 定期的な清掃や油の交換が必要 砂埃の多い場所
乾式 乾いたろ材で汚れを捕集 メンテナンスの手間が少ない 湿式に比べ吸気抵抗がやや高い 舗装路
粘性式 粘性のある油膜で汚れを捕集 吸気抵抗が低く、防塵効果が高い 定期的な油の補充が必要 砂埃の多い場所

点検と交換

  • 定期的な点検と交換が必要(目安:月に一度)
  • 汚れがひどい場合は交換または清掃