
懐かしの足回り:ダイヤゴナルリンク式サスペンション
斜めにつなぐ腕という名の、板ばねを使った繋ぎ方式は、半世紀ほど前に、後ろの車輪を動かす仕掛けを持つ車、特に後ろに機関のある車でよく使われていました。この繋ぎ方は、板ばねが斜めに配置されることで、車輪の上下運動と回転運動を同時に制御するという、独創的な構造を持っています。具体的に説明すると、左右の後輪にはそれぞれ腕のような部品がついており、この部品が車体の中心に対して斜めに取り付けられています。この腕のような部品が、板ばねの役割を果たし、路面からの衝撃を吸収する役割を担います。この斜めの配置が、「斜めにつなぐ腕」の名前の由来となっています。左右の車輪はそれぞれ独立して動くため、片方の車輪が段差に乗り上げても、もう片方の車輪には影響を与えず、安定した走行を続けることができます。また、独立して動くことで路面からの衝撃を効果的に吸収し、車内の揺れを抑え、乗り心地を良くします。さらに、この方式には、当時高価だった部品を使う必要がないという大きな利点がありました。部品点数を減らすことで、製造費用を抑えることができ、より多くの人に利用しやすい車を作ることが可能となりました。このように、斜めにつなぐ腕という名の繋ぎ方式は、独創的な構造と乗り心地の良さ、そして製造費用を抑えることができるという利点から、半世紀前の車において画期的な技術として広く採用されました。