トルク比

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トルク比:車の加速性能を左右する重要な要素

回転運動で力をどれくらい増やすかを表すのが、トルク比です。これは、くるまの自動変速機に使われている、トルクコンバーターという装置で、入ってくる回転の力に対して、出ていく回転の力がどれくらいの割合になっているかを示す数値です。 トルクコンバーターは、液体の流れを使って動力を伝える装置で、ほとんどの自動変速機付きのくるまに使われています。この装置は、エンジンの回転する力をうまくタイヤに伝える大切な役割を担っていて、なめらかに動き出したり、速度を上げたりするのに欠かせません。トルクコンバーターの働きを理解するには、トルク比がとても重要になります。 トルク比の値が大きいほど、入ってくる回転の力をより大きな回転の力に変換できるので、力強い加速につながります。つまり、トルク比は、くるまが動き出す時や速度を上げる時の性能に大きく影響すると言えるでしょう。 一般的に、トルクコンバーターのトルク比は2倍から3倍程度です。これは、エンジンの回転する力を2倍から3倍に増幅できることを意味します。この増幅作用のおかげで、くるまはなめらかに動き出し、力強く速度を上げることができます。 トルクコンバーターの中には、ポンプ、タービン、ステーターと呼ばれる3つの主要な部品が入っています。エンジンからの回転はポンプを回し、ポンプは液体に流れを起こします。この流れがタービンを回し、タービンにつながる軸が回転することで、くるまが動きます。ステーターは、ポンプとタービンの間に配置され、液体の流れを調整することでトルク比を変化させます。 トルク比は、くるまの動力を評価する上で重要な指標です。高いトルク比は、力強い加速性能が期待できることを示しています。しかし、トルク比だけが高いと、燃費が悪くなることもあるので、他の要素も合わせて考えることが大切です。
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車の心臓部、トルクコンバーターの性能を徹底解説

車は、停止状態から動き出す時、そして速度を上げていく時に、大きな力が必要です。エンジンの動力を効率よくタイヤに伝えるために、トルクコンバーターという装置が重要な役割を果たしています。このトルクコンバーターの働きを理解する上で欠かせないのが、「滑り具合」と「力の増幅」という二つの概念です。 滑り具合は「滑り比」という数値で表されます。これは、エンジンの回転数(入力軸の回転数)に対して、タイヤにつながる軸(出力軸の回転数)がどれだけ回転しているかを比率で示したものです。車が完全に停止している状態、つまり動いていない状態(ストール状態)では、出力軸は回転していないため、滑り比は1となります。この時、トルクコンバーターは力の増幅を最大限に行います。つまり、エンジンからの力を何倍にも増幅させてタイヤに伝えるのです。この力の増幅は「トルク比」という数値で表され、ストール状態ではトルク比も最大値になります。これにより、停止状態から力強くスムーズに発進することが可能になるのです。 車が動き出すと、出力軸も回転し始めます。それに伴い、滑り比は1より小さくなっていきます。同時に、トルク比も徐々に減少していきます。つまり、速度が上がるにつれて、トルクコンバーターによる力の増幅効果は小さくなっていくのです。最終的には、エンジンの回転数とタイヤにつながる軸の回転数がほぼ一致する状態になり、滑り比はほぼ0に近づきます。この時、トルク比も1に近づき、トルクコンバーターの増幅効果はほぼなくなります。 この滑り比とトルク比の関係は、グラフで視覚的に理解することができます。トルクコンバーターの性能を表すグラフ(性能曲線)では、横軸に滑り比、縦軸にトルク比をとります。このグラフを見ると、滑り比が小さくなるにつれてトルク比も減少していく様子がはっきりと分かります。この性能曲線は、トルクコンバーターの特性を理解する上で非常に重要な情報源となります。