飛沫潤滑

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車の心臓を守る!強制潤滑の仕組み

車は、たくさんの金属部品が組み合わさって動いています。これらの部品がぶつかり合って摩耗したり、熱を持ったりするのを防ぐために、潤滑油、つまりエンジンオイルが重要な役割を果たします。このエンジンオイルを部品に届ける方法には、大きく分けて三つの種類があります。一つ目は、強制潤滑方式です。これは、オイルポンプを使ってエンジンオイルを圧送し、エンジン内部のあらゆる場所に確実にオイルを届ける方法です。ちょうど、心臓が血液を体中に送り出すように、オイルポンプがエンジンオイルを循環させています。この方式は、高い潤滑性能を保つことができるため、多くの乗用車に使われています。特に、一般的な四行程エンジンでは、この強制潤滑方式が主流です。複雑な構造を持つ高性能エンジンには、この方式が不可欠です。二つ目は、飛沫潤滑方式です。これは、クランクシャフトという回転する軸に付いた部品が、オイルを跳ね飛ばすことで潤滑する方法です。例えるなら、水車のように回転する部品が、油の入った桶に浸かり、回転するたびにオイルをまき散らす様子を想像してみてください。この方式は、構造が簡単で、部品点数が少ないため、小型エンジンやコストを抑えたいエンジンに向いています。ただし、高回転になると潤滑が追いつかなくなるため、高出力のエンジンには向きません。三つ目は、混合潤滑方式です。これは、燃料とエンジンオイルをあらかじめ混ぜて、エンジン内部に送り込む方法です。燃料と一緒にエンジンオイルが燃焼室に入り、ピストンやシリンダーなどの潤滑を行います。混合燃料を使うチェーンソーや草刈り機などで使われているのを思い浮かべてみてください。この方式も構造が単純で費用を抑えることができますが、潤滑性能は他の二つの方式に比べると劣ります。また、オイルが燃えるため、排気ガスが汚れるという欠点もあります。このように、エンジンオイルの潤滑方式にはそれぞれ特徴があり、エンジンの種類や用途に合わせて最適な方式が選ばれています。
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はねかけ式潤滑:エンジンの潤滑方式

車の心臓部であるエンジンの中には、たくさんの金属部品が複雑に組み合わされています。これらの部品は高速で回転したり、上下に動いたりするため、激しい摩擦によって摩耗してしまうと、エンジンの性能が低下したり、最悪の場合は故障してしまいます。そこで、部品同士の摩擦と摩耗を減らすために、潤滑油、つまりエンジンオイルが使われます。このオイルをエンジン内部に行き渡らせる方法には、いくつかの種類があり、これを潤滑方式と呼びます。大きく分けると、強制潤滑方式とはねかけ式潤滑方式の二種類があります。強制潤滑方式は、オイルポンプを使ってオイルを必要な場所に送り届ける方法です。ポンプでオイルを圧送するので、エンジンの隅々まで確実にオイルを行き渡らせることができます。まるで体中に血液を送り出す心臓のように、オイルポンプはエンジンにとって無くてはならない存在です。この方式は、現在のほとんどの車に使われており、安定した潤滑を実現できることが大きな利点です。高回転で回るエンジンや、大きな力を出すエンジンでも、しっかりと部品を保護することができます。一方、はねかけ式潤滑方式は、エンジンの回転運動を利用してオイルをまき散らす方法です。回転する部品に付着したオイルが遠心力で飛び散り、周りの部品を潤滑します。この方式は、構造が簡単で費用を抑えられるという利点があります。しかし、オイルを確実に供給することが難しく、高回転で回るエンジンや大きな力を出すエンジンには適していません。そのため、現在では一部の小型エンジンや、あまり高性能を必要としないエンジンで使われています。このように、潤滑方式にはそれぞれ特徴があり、エンジンの種類や用途に合わせて使い分けられています。高度な技術が求められる現代の自動車エンジンには、確実な潤滑を実現できる強制潤滑方式が主流となっています。