車の乗り心地を左右する振動

車の乗り心地を左右する振動

車のことを知りたい

車の『振動』って、ただ揺れているだけじゃないんですよね?種類があるって聞いたんですけど、よくわからないんです。

車の研究家

そうですね。振動は大きく分けて『自由振動』『強制振動』『衝撃振動』の3種類があります。たとえば、でこぼこ道を走ったあとに車がゆらゆらする現象は『自由振動』です。他にどんな揺れ方を想像できますか?

車のことを知りたい

えっと、エンジンをかけているときの振動は『強制振動』ですよね。あとは…、マンホールの蓋を踏んだときの瞬間的な振動は『衝撃振動』でしょうか?

車の研究家

正解です!自由振動は一度のきっかけで起こる揺れ、強制振動は力が加わり続けることで起こる揺れ、衝撃振動はごく短い時間の揺れと覚えておきましょう。

振動とは。

車における『揺れ』について説明します。揺れとは、ある値が基準値を中心に大きくなったり小さくなったりする現象です。機械や電気など、様々な分野で使われる言葉ですが、車の場合は主に機械の揺れを指します。揺れを説明するには、場所の変化、速度の変化、加速度の変化だけでなく、どの揺れの周波数がどれくらいの大きさかを表す必要があります。揺れの発生状態によって、いくつかの種類に分けられます。押したり引いたりする力を加えるのをやめた後に起こる揺れを自由揺れ(例えば、でこぼこ道を乗り越えた後に車が数回上下に揺れるなど)と言います。力を加え続けている間、常に起こる揺れを強制揺れ(例えば、運転中のエンジンの揺れなど)と言います。また、1秒にも満たない非常に短い揺れのことを衝撃揺れと言います。

振動とは

振動とは

揺れ動くこと、つまり振動とは、ある基準となる値を中心にして、物理的な量が時間とともに繰り返し変化する現象を指します。私たちの日常生活では、様々な振動が存在しています。例えば、公園のブランコが前後に揺れる様子や、ギターの弦が弾かれて細かく震える様子、また、私たちの体の中でも心臓が規則正しく鼓動しているのも振動の一種です。

自動車においても、振動は様々な場面で発生し、乗り心地の良し悪しや安全性の確保に大きな影響を与えています。車体が路面の凹凸によって上下に揺さぶられる振動、エンジンが作動する際に発生する振動、タイヤが回転することで生じる振動など、様々な振動が複雑に影響し合い、自動車の動きを決めています。

これらの振動は、必ずしも悪い影響ばかりではありません。適度な振動は、運転者に路面状況や車両の状態を伝えるための重要な情報源となります。例えば、タイヤが滑り始めた時のわずかな振動や、路面の凹凸を乗り越えた時の衝撃などを感じ取ることで、運転者は状況を判断し、適切な運転操作を行うことができます。

一方で、過剰な振動は、乗り心地を損なうだけでなく、車体の疲労や故障の原因にもなります。長期間にわたって強い振動にさらされると、車体や部品の劣化が早まり、思わぬトラブルにつながる可能性があります。また、運転者や同乗者にとっても、不快な振動は疲労やストレスの原因となり、安全運転を阻害する要因となります。

快適な乗り心地を実現し、安全性を高めるためには、自動車における振動を適切に制御することが不可欠です。自動車メーカーは、様々な技術を駆使して振動を抑制し、快適な車内空間を提供することに努めています。例えば、サスペンションと呼ばれる装置は、路面からの振動を吸収し、車体の揺れを軽減する役割を果たしています。また、エンジンマウントと呼ばれる部品は、エンジンの振動が車体に伝わるのを防ぐ効果があります。これらの技術によって、私たちは快適で安全なドライブを楽しむことができるのです。

振動の種類 影響 対策
路面からの振動 乗り心地の良し悪し、車体の疲労や故障 サスペンション
エンジンからの振動 乗り心地の良し悪し、車体の疲労や故障 エンジンマウント
タイヤからの振動 乗り心地の良し悪し、路面状況の情報伝達

振動の種類

振動の種類

車は様々な要因で揺れます。この揺れ、つまり振動は、どのように発生するかによって大きく三つの種類に分けられます。

一つ目は自由振動です。これは、物体が一度外から力を受けて動いた後、それ以上力を加えなくても、しばらくの間揺れ続ける現象を指します。例えば、子供用の遊具であるブランコを想像してみてください。一度押してあげれば、その後は何もせずともしばらくの間前後に揺れ続けますよね。車も同様に、道路の凹凸に乗り上げた後、しばらくの間上下に揺れることがあります。これが自由振動にあたります。ばねにおもりを付けて、おもりの位置をずらしてから手を離すと、おもりがしばらくの間上下に振動を繰り返すのも自由振動の一例です。

二つ目は強制振動です。外部から継続的に力が加わることで起こる振動です。身近な例では、洗濯機が脱水中に回転する時の振動が挙げられます。これは、モーターの回転という力が継続的に洗濯機に加わることで発生しています。車の場合、エンジンの回転によって常に振動が発生しています。エンジンのピストン運動や回転運動は、絶えず車体に振動を伝えるため、強制振動の状態となります。

三つ目は衝撃振動です。これは、非常に短い時間に、急な強い力が加わることで起こる振動です。例えば、ハンマーで釘を打つ時、ハンマーが釘に当たる瞬間に強い衝撃と振動が発生します。車では、道路の段差を乗り越える際に、タイヤと車体に強い衝撃が加わり、瞬間的に振動が発生します。これはまさに衝撃振動の特徴を示しています。このように、振動には様々な種類があり、発生原因もそれぞれ異なります。車の乗り心地や安全性、耐久性を考える上で、これらの振動への対策は非常に重要です。

振動の種類 説明 車の例 その他の例
自由振動 一度外から力を受けて動いた後、それ以上力を加えなくても、しばらくの間揺れ続ける現象。 道路の凹凸に乗り上げた後、しばらくの間上下に揺れる。 ブランコ、ばねにおもりを付けた場合
強制振動 外部から継続的に力が加わることで起こる振動。 エンジンの回転によって常に振動が発生する。 洗濯機の脱水中の振動
衝撃振動 非常に短い時間に、急な強い力が加わることで起こる振動。 道路の段差を乗り越える際に、タイヤと車体に強い衝撃が加わり、瞬間的に振動が発生する。 ハンマーで釘を打つ

振動の評価方法

振動の評価方法

乗り物の揺れ心地を評価するには、揺れの大きさだけでなく、揺れの速さも大切な要素です。揺れの大きさは、揺れの幅や速度、速さの変化などで表されます。揺れの速さは、一秒間に何回揺れるかを示す値で、単位はヘルツです。人は、同じ大きさの揺れでも、揺れの速さによって感じ方が違います。ゆっくりとした揺れは、心地よい揺れに感じますが、速い揺れは、不快な揺れに感じます。

自動車の乗り心地を評価するには、これらの要素を考え合わせ、全体で判断する必要があります。具体的には、車内に置いた揺れを測る機械などで揺れを測り、揺れの速さを分析することで、どの速さの揺れがどのくらい出ているかを調べます。心地よい乗り心地にするには、不快に感じる速さの揺れを少なくすることが大切です。

例えば、路面のデコボコを乗り越える際に発生する揺れは、不快感の原因となります。この揺れを少なくするために、自動車の設計段階では、サスペンション(ばね装置)の調整や、車体の構造を工夫することで、揺れを吸収する仕組みが取り入れられています。また、タイヤの材質や空気圧も、乗り心地に影響を与える要素です。

揺れの速さによって人の感じ方が異なるため、特定の速さの揺れを重点的に抑える工夫もされています。例えば、人間の体に特に影響を与えやすいとされる低い速さの揺れを少なくするために、サスペンションに特別な部品を追加するなどの工夫がされています。

このように、自動車の乗り心地は、様々な要素が複雑に絡み合って決まるものであり、快適な乗り心地を実現するためには、揺れの大きさだけでなく、揺れの速さにも着目したきめ細やかな工夫が必要です。

要素 説明 対策
揺れの大きさ 揺れの幅や速度、速さの変化 サスペンションの調整、車体構造の工夫、タイヤの材質・空気圧調整
揺れの速さ(Hz) 一秒間に何回揺れるか。人が感じる乗り心地に影響
不快な揺れ 速い揺れ、体に影響を与えやすい低い速さの揺れ サスペンションへの部品追加など、特定の速さの揺れを抑える工夫

振動対策

振動対策

車は、走ることでどうしても揺れが生じてしまいます。この揺れを振動と言い、乗り心地や安全性、車体が壊れにくいといったことの良否に大きく関わってきます。快適な運転、同乗者の心地よさ、そして長く安全に車を走らせるためには、この振動を抑える工夫が欠かせません。振動を抑えるには、振動が生まれる場所と振動が伝わる道筋の両面から対策を行う必要があります

まず、振動はどこで生まれるのでしょうか。大きな原因の一つはエンジンです。エンジンはピストン運動によって動力を生み出しますが、同時に振動も発生させてしまいます。この振動が車体に伝わらないようにするのが、エンジンマウントの役割です。エンジンマウントは、ゴムや油などの振動を吸収しやすい材料で作られており、エンジンと車体の間に挟むことで振動を吸収します。エンジンマウントの素材や形状を工夫することで、振動の吸収効率を高めることができます

次に、路面の凹凸から生まれる振動も無視できません。路面の凹凸はタイヤを通して車体に振動として伝わります。この振動を吸収するのが、サスペンションの役割です。サスペンションは、バネとダンパーで構成されており、バネが路面からの衝撃を吸収し、ダンパーがバネの動きを制御することで、振動を素早く抑えます。サスペンションの特性を調整することで、車の乗り心地や操縦安定性を向上させることができます

車体の構造自体も振動対策に重要な役割を果たします。車体の骨組みを頑丈にすることで、振動しにくい車体を作ることができます。また、振動を吸収しやすい材料を使うことも有効です。

さらに、最新の技術では、電子制御技術を使って振動を積極的に制御する方法も開発されています。これは、路面の状態や車の速度に合わせて、振動を最適に制御する技術です。これにより、様々な状況下で、より快適な乗り心地を実現することができます。

振動対策

今後の展望

今後の展望

車は、時代と共に大きく姿を変えてきました。特に、車の動きを滑らかにする振動対策の技術は、目覚ましい進歩を遂げています。電気で動く車や、人が運転しなくても進む自動運転の技術が広まるにつれ、車の中の揺れはこれまでとは違ったものになっていくと考えられます。

例えば、エンジンで動く車が無くなることで、エンジンの揺れはなくなりますが、代わりにモーターや周りの装置から、今までとは違う揺れが生まれるでしょう。この新しい揺れを抑えるには、これまでとは異なる対策が必要です。また、自動運転によって、運転していた人が自由な時間を車の中で過ごせるようになると、車内の快適さがより一層重要になります。揺れだけでなく、音や温度なども含めて、いかに心地よい空間を作るかが、これからの車作りの大切な点となるでしょう。

将来の車作りにおいて、揺れをうまく調整する技術は、快適さだけでなく、安全を守る性能や環境への優しさも高めると期待されています。揺れを詳しく調べて、それを調整する技術がさらに進化すれば、揺れをエネルギーに変えるといった、新しい可能性も生まれてくるでしょう。例えば、路面の凹凸で生まれる揺れを電気に変えることで、車のエネルギー効率を高めることができるかもしれません。

さらに、人が感じる揺れの感じ方をより細かく分析することで、一人ひとりに合わせた快適な乗り心地を提供できるようになるでしょう。高齢者の方や、乗り物酔いしやすい方など、それぞれの体質に合わせた揺れの設定が可能になることで、誰もが安心して快適に車を使える社会が実現すると期待されます。

時代の変化 振動対策の課題 快適性と安全性 将来の可能性
電気自動車、自動運転の普及 エンジン振動の代わりにモーターや周辺装置からの新たな振動発生 車内空間の快適性がより重要に 振動をエネルギーに変換(例:路面振動から電力生成)
自動運転による車内時間の増加 音、温度も含めた快適な空間づくり 振動制御技術の進化による安全性向上 個人の体質に合わせた振動設定(高齢者、乗り物酔いしやすい人への対応)
環境性能の向上